
Stratasysが2026年9月14日、General Motors(GM)が同社の産業用3Dプリンターを北米と南米の20拠点を超える工場に展開していると発表した。あわせて公開した動画で、GMの各工場の担当者が導入の効果を具体的な数字で語っている。
分かりやすい例が、テールゲートの部品を保持する治具だ。GMは生産開始時に1個1000ドル(約15万4000円)の金属製の治具を500個購入したが、数カ月で複数が破損し、修理が追いつかなくなった。代わりに設計した3Dプリント版は、磁石で車体に固定する構造で、1個あたり60〜70ドル(約9300〜1万800円)で組み立てまで終わる。金属と違って塗装した車体を傷つける心配も減った。
工場全体の効果も示されている。ランシング・デルタ・タウンシップ組み立て工場のRick Smearman常務は、昨年だけでおよそ140万ドル(約2億1600万円)を節約したと述べる。同工場は約1分に1台のSUVを生産している。
電気自動車を作るファクトリー・ゼロでは、制御エンジニアで拠点の責任者を務めるHanan Alattar氏が、従来の切削加工や外部への3Dプリント発注と比べて平均80〜90%の費用削減になっていると説明する。ロボットのアーム先端でスイッチを保持するブラケットが必要になったときは、通常なら数週間かかるところを4時間で作った。ローラーベッドの穴をふさぐ安全対策の部品も、1日で設計して数百個を印刷したという。
作っているのは、部品の位置決めや保持に使う治具、組み立て用の固定具、品質検査の器具、塗装面を守る保護部品、作業者の負担を減らす補助具である。手で押していた作業を手のひら全体で押せる道具に置き換えるなど、けがを防ぐ用途も多い。
効果を広げているのは標準化だ。GMは機械と材料をStratasysで統一しており、南米で生まれた解決策をそのまま北米の工場へ持って行ける。工具のデータベースを全社で共有し、月次の会議と工場ごとの発表の場で成果を回している。積層造形の応用エンジニアであるMoses Harris氏は、設計の作法と材料と装置が標準化されているから、見つけた解決策を素早く横展開できると述べている。
投資の判断も現場に落ちている。GM North Americaのフルサイズトラックと大型SUVの組み立てを担当するDoneen McDowell製造担当バイスプレジデントによれば、各工場には6カ月での投資回収という目標があり、今年はそれを2倍にする見込みだという。

