編み図が苦手な私向けに作った「スマートかぎ針」、製品化に挑戦ーーテストユーザーを募集します  

編み図を見ながら編むのが苦手。どれを編むのか確認しているうちに、編んでいるところが分からなくなり、間違える。編み針の方から「次はこの色だよ」と教えてくれればいいのに…。以前、そんな思いから、編む毛糸の色を光って教えてくれる「スマートかぎ針」を自作した。

この個人プロジェクトの商品化に向けて動き出すことにした。今回は、商品化の経緯と、テストユーザー募集のお知らせです。

目次

編む毛糸の色を教えてくれるスマートかぎ針

「スマートかぎ針」は、編んでいる毛糸の色を、かぎ針の先が光って教えてくれるデバイス。ドット絵のように複数色を使う模様編みでは、「次に使う毛糸は何色なのか」を編み図と見比べながら編んでいく。この確認は地味にストレスが溜まるし、気づいたら違う色を編んでいて編み直し、ということがよくあった。

そこで作ったのが、編み図データをあらかじめ読み込ませておき、手元のボタンを押すごとに「今何段目の何目か」を判定して、次に編むべき毛糸の色にLEDが光るかぎ針だ。

編み図と連動して、ボタンを押すと次に編むべき色にかぎ針の先が光る。

フルカラーLEDをかぎ針の柄に組み込み、マイコン(M5StampS3)でコントロールする。編み図データはスプレッドシートで作成・管理する仕組みにした。

編み図と手元をいちいち見比べなくてよくなり、編むのがぐっと楽になる。実際に編んでみて、「これは便利だぞ」という手応えがあった。

製品化への挑戦:一人では難しいから0/1 clubで

この作品をSNS等で紹介したところ、「商品化してほしい」という声をいくつかもらった。まず単純に嬉しかった。ただ同時に、「これを製品化するのはなかなか難しそうだぞ」とも思っていた。かぎ針そのものは専門メーカーの領域だし、スマートかぎ針をほしい人なんてニッチだ。そもそも私自身、かぎ針編みにそこまで詳しいわけではない。「欲しい」と言ってもらえるのは嬉しいのに、どうしたものかと悩んでいた。

そんな時に知ったのが、ビット・トレード・ワンの「マイプロダクトサービス」。こちらを念頭に、同社に相談してみることにした。話をする中で紹介してもらったのが「0/1 club(ゼロワンクラブ)」だ。

0/1 clubで商品化に向けプロジェクトスタート

0/1 clubはFabSceneとクラウドファンディングサイト「kibidango」、電子機器メーカー「ビット・トレード・ワン」の3社が立ち上げた、Maker・クリエイター支援のエコシステムだ。

個人のアイデアや試作品を起点に、情報発信→資金調達→量産・販売)までを一気通貫で支援する取り組みで、法人化やチーム化なしに、個人が個人のまま量産・販売にチャレンジできることを目指している。

2026年1月に開催された「第0回 0/1 club キックオフイベント」で、スマートかぎ針のピッチをさせてもらった。他の登壇者の話を聞いていると、製品もフェーズもバラバラで、いろんな段階のMakerがいるのだなと感じた。その中で、ある登壇者が口にした「自分だけでは製品化が難しそうなものだから」という言葉には、思わず共感してしまった。まさに自分も同じ壁にぶつかっていたからだ。 

また、このイベントで大きな収穫があった。参加者から「子どもたちが結構編み物をしている」という話を聞いて、「そういう子に使ってもらえたら嬉しいな」というイメージが自分の中に生まれたことだ。おかげで、「まず知って使ってもらって、そこから考える」というマインドに切り替えることができた。

正直、これが本当に製品として使ってもらえるものなのかどうか、自分ではまだ判断がつかない部分が大きい。だからこそ、「こんな使い方ができそう」「こんな風になってほしい」という声を取り入れながら、これから形にしていきたいと思っている。 

その後は、ビット・トレード・ワンの担当者とチャットでやり取りしながらアップデートを進めることにした。基板側の設計は先方にお願いし、外装(ケースやかぎ針部分の造形)は自分で担当する、という役割分担で進めている。

キャプション:自分の苦手分野をやってくれる人がいるのが大変ありがたい

アップデートした試作機は、金沢で開催された自主制作作品の展示会「NT金沢」に、ビット・トレード・ワンブースで展示した。今後は、このアップデート版を実際にユーザーに使ってもらって意見をもらい、そこからクラウドファンディングという形で世に出していく方向で考えている。

NT金沢での展示風景

アップデートした新型機

これが新しい基板とケースになった新型だ。見た目は0号機とあまり変わらないが、使いやすさがかなり上がった。ソフトウェアもスプレッドシートから専用のウェブアプリになった。

0号機は極太の毛糸専用、かつケーブルをつなげた状態で編む必要があり取り回しづらかった

テストユーザー募集のお知らせ

次は、このかぎ針を自分以外の人に実際に使ってもらって、率直な感想や改善点を聞きたい!そんなわけで、フィードバックくれるテストユーザーを募集することにした。

編み物が好きな方はもちろん、これから編み物を始めたいという人、お子さんが編み物をしたいという親御さんなどにも、ぜひ試して感想をいただけたら嬉しいです。興味を持っていただいた方は、ぜひ以下のGoogleフォームよりお申し込みください。

〆切:2026年8月7日

※お預かりした個人情報はビット・トレード・ワンの個人情報保護方針に基づいて管理され、「スマートかぎ針」開発プロジェクトに必要な連絡のみに使用します。

※オンラインヒアリングの内容は記事に掲載されることがあります。

募集人数…10名
※応募者多数の場合は抽選となります

条件
試用後にアンケート、1時間程度のオンラインヒアリングに協力いただける方

製品化に向けての進捗は、これからも記事にしていく予定だ。テストユーザーからの意見、クラウドファンディングの準備状況など、進展があり次第、FabSceneでお知らせします。

fabsceneの更新情報はXで配信中です

この記事の感想・意見をSNSで共有しよう
  • URLをコピーしました!

ライター・デザイナー。 電子工作やデジタルファブリケーションを駆使して、生活をちょっとへんてこでちょっと便利にする(かもしれない)ものを作っては記事を書いている。

現在は、三浦半島の先っぽで自宅をメイカースペースとして時々開放しつつ、自分のものづくりをしたり、人のものづくりを応援したり。

最新記事

YouTube / PodCast

【PR】読んで役立つ注目記事

目次