
米海軍が、戦闘機の損傷部品を前線の基地で3Dプリンターを使って補修する技術を開発した。米海軍航空戦センター航空機部門(NAWCAD)と艦隊即応センター南西(FRCSW)が共同で進めるもので、F/A-18「スーパーホーネット」の複合材の修理にかかる時間を、約50%短縮できるとしている。ラボと地上での試験を終え、2026年夏に運用中の機体での飛行試験を予定する。
戦闘機の機体には、複合材と呼ばれる素材が多く使われている。複合材は、炭素繊維を樹脂で固めたパネルで、金属より軽く、高速で飛ぶときの力にも耐える。ただ、この複合材の部品が損傷すると、修理が難しい。従来は、専門の技術者の到着を待つか、大きな部品を米本土の整備拠点まで運ぶ必要があり、数週間にわたって機体が飛べない状態になっていた。
新しい方法では、損傷した箇所に合わせて、補修用のパッチをその場で3Dプリントする。この高性能なパッチを、機体に直接貼り付けて補修する。部品一式の交換を待たずに、損傷した複合材のパネルを、前線の基地で直せるようになる。技術者は、機体が実際に運用されている場所で、修理を完結できる。
この技術を支えるのが、すでに世界各地に配備された3Dプリンターの網だ。米海軍は、世界22カ所の整備拠点に3Dプリンターを配備している。この既存の設備を活用すれば、機体が運用されている現場で補修でき、部品が本土から届くのを待つ必要がなくなる。
飛行する機体への適用には、高い精度と安全性が欠かせない。開発チームは、プリントしたパッチが飛行に耐えると確かめるため、貼り付けの手順と品質の検査方法もあわせて整えた。NAWCAD司令官のTodd Evans少将は、複雑な修理を前線でできるように簡素化することで、航空機をより早く任務に戻せるようになると述べている。

