
韓国・ハンバット大学のKi-Ha Hong教授らの研究チームが、次世代の光電子材料として期待される「2次元ペロブスカイト」の性質を、設計の段階で予測できるモデルを開発した。材料の中で光を吸収・放出するふるまいが、何によって決まるのかを切り分けた成果だ。研究は学術誌Advanced Functional Materialsに掲載された。
2次元ペロブスカイトは、電気を通しやすい無機物の薄い層と、絶縁性の有機物の層が、交互に積み重なった材料だ。この構造の中では、光を受けると電子と、電子が抜けた穴が対になった「エキシトン」と呼ばれる状態が生まれる。エキシトンが光をどう吸収し放出するかが、発光素子や太陽電池としての性能を左右する。
課題は、材料の設計指針が立てにくいことにあった。層と層の間にはさむ有機物を変えると、電気的な遮蔽の環境と、無機物の骨格の形が同時に変わってしまう。そのため、エキシトンの性質を決めているのがどちらの要因なのか、切り分けられなかった。
研究チームは、無機物の骨格をほぼ保ったまま、はさむ有機物の分子の鎖の長さだけを変える一連の試料を作った。これにより、電気的な遮蔽の効果だけを取り出して調べられるようにした。その結果、遮蔽の環境の変化が、エキシトンの性質を主に左右することを突き止めた。
さらに研究チームは、有機物の層の厚みを計算に反映した新しいモデルを立てた。このモデルによる予測は、実験の結果とよく一致したという。Hong教授は、有機物の鎖の長さから、エキシトンの性質を予測できる設計の指針が得られたと述べている。発光素子や太陽電池といった、光を扱う電子デバイスの材料を設計するうえで、役立つと位置づけている。

