授業で手を挙げにくい学生が3Dプリントで自作、質問を光で知らせる車いすライト

米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の大学院生Carter Schott氏は、上半身の動きが弱くなる筋ジストロフィーがあり、授業中に手を挙げて質問の意思を示すのが難しかった。そこで、挙げた手の代わりに、光で「質問があります」と伝えられる車いす取り付け式のライト「Sol」を作った。

Solは、USBで電源を取るLEDライトを棒の先に付け、車いすの背に取り付ける。LEDの光は、すりガラス状のアクリルの輪に通して拡散させ、まぶしくならず、それでいてよく目立つようにした。車いすのアームに付けたスイッチで、点灯したままにするか点滅させるかを切り替えられる。

Schott氏は、取り付け部から回路、ライトの部分まで、すべての部品を自分で設計した。スケッチから3Dモデル、3Dプリントの試作へと形にし、いまは自室の3Dプリンターで開発を進める。その後、大学のデザイン工房「(dis)Ability Design Studio」と組み、工業デザインやグラフィックデザインの学生を加えたチームで磨き上げている。

用途は授業だけではない。車いすの利用者は運転手の視線より低い位置にいることが多く、駐車場などでは見落とされやすい。Solは、そうした場面でも自分の存在を知らせる助けになる。チームは世界に向けたアンケートで利用者の声を集め、スクーターや歩行器、手動の車いすなど、さまざまな移動機器に合う形へ広げようとしている。手の力が弱い人にはスイッチが握りにくいといった声も踏まえ、手のひらを乗せる台や、持ち手を長くする案も検討する。

反応は大きく、アンケートは最初の1週間だけで400件を超える回答が集まった。Schott氏は、イリノイ大のキャンパスで必要とする人には、Solを無料で配る計画だ。障害があることは設計の妨げではなく、むしろ工夫を生む出発点になる、というのが本人の考えだ。

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