
中世に星の位置を知る道具として使われたアストロラーベを、現代の電子部品で再現する。chu-bert氏は、数か月かけて電気機械式のアストロラーベを自作し、そのソフトウェアをGitHubで公開した。歴史上の道具に、マイコンによる計算と3Dプリントした機構を組み合わせ、星や惑星の動きを1台で示す。
アストロラーベは、天球上の星の配置を平面に写し取り、時刻や星の高度を読み取る道具だ。歴史上のものは、太陽や星の高度を実際に測る部分と、星図を回す部分を持つ。chu-bert氏の作品は、高度を測る部分を省き、星図に的を絞った。その代わり、固定された恒星と太陽に加え、水星から土星までの五つの惑星の位置も示す。かつては天文表を引いて手間をかけて調べた惑星の位置を、内蔵したマイコンが計算する。
表示には、丸い形の4インチ液晶を選んだ。天球を写す円形の星図に、丸い画面がよく合う。惑星の位置は、VSOP87という天体の運行モデルを計算に用いて求める。マイコンには「Qualia ESP32-S3」を使い、星図の計算と描画を担わせる。
操作の中心にあるのが、星図を回す動きだ。chu-bert氏は、星図の網目状の部分の回転を、大きな可変抵抗器で読み取る仕組みにした。可変抵抗器は、つまみの回転量を電気の変化に変える部品だ。この回転を画面上の星図の動きに反映させ、星々がゆっくり巡る様子を映し出す。日付を変えると、季節による惑星の移り変わりも表示する。機械の部品は、すべて自分で設計して3Dプリントした。
この装置は、星と惑星の一日の動きと一年の動き、七つの惑星の黄道上の位置や高度、方位を示す。使う場所の緯度を変えると、天球の見え方を表す線を引き直す。ソフトウェアはGitHubで公開されており、天文と電子工作を組み合わせた作り方に関心のある人には、参考になる作りだろう。

