チップ内部に髪より細い液冷流路、冷却効率を従来の10倍に

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韓国のKAISTは2026年6月、シリコンチップの内部に、髪の毛より細い液体の通り道を作り、内側から直接冷やす技術を開発したと発表した。室温の水を流すだけで、1cm²あたり2000W(2kW)を超える発熱でも、チップの温度を100℃以下に保てたとしている。成果は学術誌「Energy Conversion and Management」に掲載された。

AIの計算をこなす半導体チップは、性能が上がるほど激しく発熱する。これまでの空冷や、銅の板で熱を逃がす方法は、限界に近づいている。チップが熱くなれば性能が頭打ちになるうえ、データセンターでは冷却のための電力も重い負担になる。

研究チームが採ったのは、チップの中に細い流路をびっしり通す、マニホールド型マイクロチャネルという構造だ。冷却水を1本の長い流路に流すと、入り口と出口で温度や流れに差が出やすい。そこで、水を配る管と集める管を立体的に組み、短い距離で各流路へ均等に水を行き渡らせた。流路の形と流れ方は、計算とシミュレーションで最適化した。

シリコンウエハー上に試作して測ったところ、冷却の効率を表す指標(COP)は10万6000に達した。冷却に使うエネルギー1に対して、10万6000倍の熱を運び出せる計算で、従来の記録の約10倍だという。水を押し流すのに必要な圧力も低く、冷却にかかるエネルギーを約90%減らせるとしている。一般的な製造工程(CMOS)とも両立する。

発熱の大きいAIや高性能計算向けのチップでは、熱をどう逃がすかが性能と消費電力を左右する。外付けの大きな放熱部品に頼らず、熱の出る場所のすぐ近くで冷やせれば、チップをより高密度に積む設計もしやすくなる。研究チームは、3次元実装など次世代のパッケージングに向けた冷却の道筋になるとしている。

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Close-up of a blue-tinted electronic circuit board with a glowing orange central component.

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