電池なしで668%伸ばしても動くセンサー、KAISTが圧電繊維で開発

電池がなくても、体の動きから電気を作って信号を出すセンサーがある。圧電素子を薄い繊維にしたもので、曲げたり押したりすると電圧が生まれる。軽くて柔らかく、肌に貼るウェアラブル機器に向く。だが、何度も伸び縮みをくり返すと電極がはがれ、信号が弱くなる弱点があった。

韓国科学技術院(KAIST)のMiso Kim教授らの研究チームが、668%まで伸ばしても安定した電気信号を出し続ける圧電繊維センサーを開発した。2026年6月18日に発表した。成果は学術誌のACS Nanoに掲載された。

工夫は、繊維の形にある。圧電性のあるポリマー(PVDF-TrFE)のナノ繊維を、コイルのように巻いたり結び目にしたりした。ばねと同じ原理で、繊維そのものは大きく伸びなくても、コイル全体としては大幅に伸びる。結果、668%まで引き延ばしても繊維が壊れない。

もう一つの工夫は、電極と圧電層の境目にある。従来の繊維センサーは、伸び縮みのたびに電極が圧電層からはがれて信号が落ちた。研究チームは界面の設計を見直し、くり返し伸ばしても電極がはがれにくい構造にした。これにより、大きく伸ばしても信号の安定性を保てるという。

想定する用途は、心拍や呼吸、関節の動きを長時間測るウェアラブル医療機器だ。電池が要らず、体の動きだけで発電するため、充電の手間がない。人の皮膚のように外からの刺激を感じ取る電子皮膚や、柔らかい素材でできたソフトロボットの触覚にも使えるとしている。

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Two gloved hands pull a purple braided cord, with a close-up inset of fiber strands and a panel showing weak to strong signal and 'Excellent Electrical Signal'.

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