ラズパイのカメラを数メートル離して置く拡張基板、同軸1本で2台まで

ドイツのBrechel Electronic(BE-IIS)が、Raspberry Pi 5用の拡張基板「GMSL2 Camera HAT」を発売した。同軸ケーブル1本でカメラを数メートル離して設置でき、2台まで接続できる。価格は229ドル(約3万5500円)。Raspberry Piに付属するフラットケーブルは細くて折れやすく、長さも限られるため、カメラを本体の近くにしか置けなかった。

使うのはGMSL2という規格である。自動車で車載カメラを車体の各所に置くために使われており、1本の同軸ケーブルで最大6Gbpsの映像を送る。細いフラットケーブルと違い、振動や引っ張りに耐える。

この基板はGMSL2の信号を、Raspberry Piが標準で受け取れるMIPI CSI-2に変換する。変換にはアナログ・デバイセズのMAX96716Aを使い、カメラ側の端子にはRosenbergerのFAKRAコネクターを2つ備える。カメラへ電源を送る回路にはフィルターと保護を入れた。

カメラの電源電圧は基板上のジャンパーで選ぶ。5V、9V、12V、16V、24Vに対応するため、電源要件の異なる車載用や産業用のカメラをそのままつなげる。

もう1つの使い方も示している。別売のシリアライザー基板「BE-IIS-GMSL2-SER」を組み合わせると、手元のMIPI CSI-2カメラをGMSL2の同軸リンクに載せられる。Raspberry Pi用のカメラモジュールも対象で、価格は79ドル(約1万2300円)になる。カメラ2台を離して置く構成なら、HATと合わせて387ドル(約6万円)かかる計算だ。

同社が挙げる用途は7つある。GMSL2カメラの評価、車載カメラの試作、産業用ビジョンの評価、Raspberry Piでの映像取り込み、センサーと撮像素子の立ち上げ、教育と研究、そしてステレオカメラの評価である。カメラを2台つなげるため、2台の視差から距離を測る構成も組める。

対応するのはRaspberry Pi 5のみで、2、3、4、Zero、Zero 2 Wは対象外になる。HATの規格としては従来のHATに対応し、HAT+とHAT++には対応しない。基板の電源はGPIOヘッダーからの5VかUSB-Cから取る。

同社は回路図、レイアウト、3Dモデル、データシート、RoHS証明書を公開している。Raspberry Pi OS向けの設定用ソフトウェアもGitHubで配布しており、I²C経由でカメラを設定して動かす例が含まれる。MIPI CSI-2で出力するため、Raspberry Pi以外の組み込み機器でも使えるとしている。

出荷はドイツから。日本への送料はDHLで初回49ドル(約7600円)、追加1点につき5ドル(約780円)としている。

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