韓国科学技術院が最大15%伸ばしても像がゆがまない伸縮ディスプレイ技術を開発

韓国科学技術院(KAIST)と東亜大学の研究チームが、画面を最大15%伸ばしても、文字や画像が元の形を保つ伸縮ディスプレイの基盤技術を開発した。ゴムのように自在に伸び縮みする次世代ディスプレイで課題となる、像のゆがみを抑える手がかりになる。成果は2026年6月4日付の学術誌Nature Communicationsに掲載された。

伸縮ディスプレイは、伸びる土台の上に光を出す素子を並べて作る。ところが、ゴムのような普通の材料は、一方向に引っ張ると反対方向に縮む性質を持つ。その縮みのために、画面の文字や画像がつぶれ、ゆがんでしまう。引っ張った向きと反対に縮むこの性質は正のポアソン比と呼ばれ、多くの材料に共通する。

ゆがみを防ぐ手として注目されてきたのが、オーキセティックと呼ぶ特殊な構造だ。引っ張ると縦にも横にも同じ割合で広がる負のポアソン比を持ち、像がゆがみにくい。ただし従来のやり方では、画面全体の縦横比を保つのが精一杯で、画面の中の一つ一つの文字や画像は、なおゆがみやすいという弱点が残っていた。

そこで研究チームは、オーキセティック構造と伸びる土台を全面で貼り合わせる従来法をやめ、計算解析で選び出した一部の点だけを選択的につなぐ設計を採った。全面で貼り合わせると伸縮の自由が失われ、つなぐ点が少なすぎると像がずれる。その中間を計算で探り当てた形だ。これにより、画面全体から画面内の細部まで、大小さまざまなスケールでまんべんなく等方的に広がり、15%伸ばしても像がゆがまない。研究にはSeunghyup Yoo教授とHanul Moon教授らが加わった。

画面が肌や関節の動きに合わせて伸び縮みしても表示が乱れにくいため、体に沿うウェアラブル機器や医療機器など、想定する用途は幅広い。研究チームは、高品質な次世代の伸縮ディスプレイの実用化を後押しする成果だとみている。

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