壁越しに30m先の3人を追跡、ゲームの装備をESP32で実機化

壁の向こうにいる敵の位置が、画面に光点として浮かび上がる。ゲーム「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2」に登場する装備「ハートビートセンサー」を、市販の部品だけで実際に作れるのか。GitHubでcfong2001と名乗る製作者が、ESP32とミリ波レーダーを組み合わせた携帯型の人体検知レーダーを製作し、設計データとファームウェアを公開した。

使ったのはEBYTE製の24GHzミリ波レーダーモジュール「E54-24LD12D」だ。カメラではなく電波で人の動きを捉えるため、石膏ボードやガラス、プラスチックの向こう側や、真っ暗な場所でも検知できる。映像も音声も記録しない。検知範囲は0.5mから30mで、最大3人までの位置と移動速度を同時に追跡する。表示は240×320ピクセルのカラーTFT液晶で、毎秒60〜120フレームでレーダースコープ風の画面を描画する。

携帯型ならではの課題も解決している。手に持って歩くと本体の揺れがそのまま検知結果のブレになるため、製作者は複数の対象を基準点として追跡し、装置の揺れと実際の人の動きを分離する補正処理を実装した。対象が厚い障害物の陰に一瞬入って見失った場合は、直前の動きから最大1秒間だけ軌跡を予測して表示を維持する。光点が細かく点滅して消えるのを防ぐ工夫だ。

画面は5種類のテーマから選べ、任意の領域を「警告ゾーン」に指定して人が入ると赤く点滅させられる。ESP32が無線LANのアクセスポイントとして動作するため、スマートフォンを接続すればブラウザー上でも同じ表示を見られる。座標データをJSON形式で取得するAPIも用意し、Home Assistantなどに取り込める。

ファームウェアはPlatformIOで開発し、ハードウェアなしで信号処理を検証できる単体テストも同梱する。ライセンスはCC BY-NC-SA 4.0で、個人利用や教育目的なら無償で使えるが商用利用には許可が必要だ。なお製作者は、EBYTEからハードウェアの提供を受けたことを明記したうえで、好意的な内容を書く義務は負っていないと説明している。

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