
スターシーズは2026年10月5日、加賀電子とGPUサーバーなどの委託生産に関する基本契約を結んだと発表した。加賀電子が長年取引する国内の大手電子機器メーカー(社名非公開)の工場設備を使い、2026年12月31日までの量産開始を目指す。
スターシーズは東証スタンダード市場に上場している。2025年9月には、AIや機械学習、データ解析向けの高性能サーバーを販売する子会社、スターシーズデジタルを設立した。同社によると、生成AIや推論の普及で、高性能のGPUサーバーやAIデータセンター向けの設備、液冷システムの需要は堅調に推移している。子会社はこれまで大型データセンター向けサーバーの受注と納品に取り組み、2026年3月には日本市場向けの液冷式AIデータセンターに関する協業の覚書も結んだ。
一方、同社が扱うサーバー製品の多くは海外で生産しており、調達にかかる時間が延び、供給も不安定になっていた。同社は国内のEMS(電子機器の受託開発・製造サービス)工場を検討するプロジェクトを立ち上げ、2026年4月から加賀電子と協議してきた。約半年にわたり、要望の聞き取りや協業案の検討、工場候補地の選定を重ねたという。
契約では、スターシーズがGPUサーバーや汎用サーバーなどの生産を加賀電子に委託する。加賀電子は部材の管理から製造、組み立て、検査、梱包、出荷までを担い、受け入れ検査から出荷検査までの品質管理の仕組みを作って運用する。工場の改装費用はスターシーズが負担する。製造設備もスターシーズが購入して加賀電子に無償で貸し出し、所有権はスターシーズに残る。
加賀電子は電子部品や半導体の販売に加え、EMSやパソコン周辺機器の販売を手がける東証プライム上場企業で、両社に資本や取引の関係はない。スターシーズが加賀電子を選んだ理由は、EMS事業で培った製造と品質管理の体制、部材の調達網、国内の大手メーカーとの関係だ。量産を早く立ち上げ、安定して動かせると見込んだ。
価格や数量、納期などの具体的な条件は、今後別に結ぶ製造委託の基本契約で決める。工場の所在地や生産能力は開示しておらず、業績への影響は精査中としている。同社は2026年5月26日、国内のEMS企業と組んでAIサーバーの生産体制を作る方針を発表し、中長期的には国内の複数拠点への展開も視野に入れるとしていた。今回の協業を通じて、国内生産で納期を短くして供給を安定させ、製品の企画から設計、製造、品質管理までを一貫して担う体制を目指す。

