抹茶の粉から電池を作る、危険な薬品を使わない有機フロー電池をDIY

フロー電池は、液体の中に溶かした物質の化学反応で電気を取り出す。タンクの大きさで容量を変えられるため、大規模な蓄電の技術として注目されている。ただ、よく使われるバナジウムなどの電解液は扱いが難しく、学校や家庭で気軽に試せるものではなかった。

YouTubeチャンネル「Marb’s lab」のMarkus Bindhammer氏が、抹茶の粉を使って有機フロー電池を自作し、その手順を公開した。2016年にドイツで発表された研究論文を読み、自分で作ってみたという。

電解液に使うのは、緑茶に多く含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)という物質だ。抹茶を細かく挽いた粉にはEGCGが豊富に含まれており、これを水に溶かして電解液にする。電極には、表面積を増やすために活性炭を巻いた炭素電極、白金線、グラファイトの箔を使う。

2つの容器に入れた電解液をポンプで循環させ、電極を通して電気を取り出す。フロー電池の基本的な仕組みと同じだ。性能は、電圧が1V未満で電流も数mAと控えめで、小さなファンを回したりLEDを点けたりできる程度だ。蓄電池として実用になる水準ではない。

だが、この電池の価値は性能ではなく安全性にある。使う物質はすべて食品由来か、身近な材料で手に入る。バナジウムや強酸のような危険な薬品を使わないため、教室や自宅の実験に向く。フロー電池の仕組みを、実際に手を動かして学べる教材になる。

製作者のBindhammer氏は、電気化学の実験装置を自作する動画を多数公開しており、化学反応で動くロボットハンドなど独創的なプロジェクトを公開している。

関連情報

Laboratory setup with a green control panel, analog ammeter, and wired electrodes connected to a glass vessel on a metal frame.

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