MITが40年前の特許を3Dプリントで復活、3面ジッパー「Y-zipper」を発表

MITコンピュータ科学・人工知能研究所(MIT CSAIL)のJiaji Li博士研究員らが、引くだけで柔らかい紐が剛性のあるロッド状に変化する3面ジッパー「Y-zipper」をデザインし、専用ソフトと3Dプリンターで誰でも作れるようにする研究を発表した。論文は人間とコンピュータの相互作用に関する国際会議ACM CHI 2026で発表され、MITが2026年5月4日付で大学ニュースとして紹介した。元のアイデアは1985年、当時Polaroidに勤務していたWilliam Freeman氏(現MIT教授)がデザインコンペに応募して却下された未公開特許で、本人がガレージに保管していたものを約40年経って復活させた格好だ。

Y-zipperは断面が三角形のジッパーで、開いた状態では3本の柔らかい帯、ジッパーを引き上げると剛性のあるロッドに変わる。専用ソフトでは帯の長さや曲げ方向を指定でき、閉じたときの形を「直線」「曲げ」「コイル」「ねじれ」の4種類から選べる。本体はPLAとTPUの2種の樹脂を3Dプリントして組み合わせており、PLAが重い荷重を、TPUが柔軟性を担当する。耐久試験では1万8000回の開閉サイクル後に破損したという。

応用例も多彩だ。論文ではテント設営の時間が約6分から1分20秒に短縮できる例、日中はゆるめ夜間は固定できる手首用ギプス、脚の長さを変えられる四足ロボット、咲く花のような動的アート作品が紹介されている。共著者は、後の宇宙探査機が小型の岩石サンプルをつかむグリッパーや、災害時のシェルターの素早い展開にも応用できる可能性を挙げている。

注目すべきは、論文公開と並行して、Li氏が自身のMakerWorldアカウント「jiaji3DP」でY-zipperの3Dデータを2026年4月14日に公開した点だ。ライセンスはCreative Commons表示-非営利-継承で、Bambu Labのプリンター向けに造形プロファイルが用意されている。一方でコメント欄には「印刷はできるがジップの開閉が固すぎる」「TPUとPLAをうまく合わせるのが難しい」といったMaker層からの率直な再現性報告が並び、Li氏自身が「公差を広げたバージョンを再アップロードする」と返信している。論文と並行して個人レベルでの実装フィードバックが集まる、研究と個人ファブリケーションの境界が薄れている事例だ。

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Playful display of blue interlocking-tube shapes forming the characters '3 0 4 e' on a wooden desk in an office setting.

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