仏Orano、ネオジム磁石の製造工程を1年で確立 高温に強い等級を安定生産

原子力燃料の再処理を手がける仏Oranoと、仏原子力・代替エネルギー庁(CEA)は2026年9月24日、両者が仏グルノーブルで運用する試験生産ラインで、高性能のネオジム磁石を安定して製造できたと発表した。2025年9月19日のライン開設から1年で、磁石を作る工程の全体を自前で扱えるようになったとしている。

ネオジム磁石は、ネオジムなどのレアアース(希土類)と鉄、ホウ素でできた磁石で、電気自動車や風力発電機のモーター、ロボットの関節を動かす部品、磁気センサーに使われる。Oranoは自社サイトで、レアアースの80%は中国で生産されていると説明している。両者によると、高性能の磁石を作るのに必要な技術を一通り持つ企業は、世界でも少数にとどまる。

今回、試験ラインで安定して作れたのは「N45UH」と呼ばれる等級だ。強い磁力を持ちながら、高温になっても磁力を失いにくい。両者は、電気自動車や低炭素のエネルギー、ロボット、防衛といった分野で最も厳しい要求を満たす等級だと説明する。製造工程を一通り身に付けたことで、用途に合わせてほかの等級も作れるようになったという。

このラインは、使い終わった磁石からレアアースを取り出し、新しい磁石に作り直すリサイクルを目指して開設された。今回の発表は、その前段となる磁石の製造工程を確立した段階にあたる。リサイクル材を原料に混ぜる割合を増やす取り組みは、これから進める。

Oranoは今後、この技術とノウハウを他社に提供し、欧州で高性能磁石を工業規模で生産する体制づくりを支えたい考えだ。CEAのエネルギー部門を率いるPhilippe Stohr氏は、このラインがレアアースの精製から磁石の製造までフランス国内の産業のつながりに組み込まれていると述べ、フランス政府の「レアアース・永久磁石」の供給強化計画のもとで、この産業の育成を加速させる役割を担うとした。

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