電子部品を基板に載せる実装機を約3万円で自作、精度は10マイクロメートル

プリント基板の組み立ては、部品が小さくなるほど手に負えなくなる。「0201」と呼ばれる部品は0.6×0.3mmしかなく、手で載せるのは至難の業だ。工場では非常に高価な専用機で正確に載せる。YouTuberでMakerのMagmabow氏は、その精度を安く出せないかと考え、電子部品を基板に載せる装置(ピックアンドプレースマシン)を200ドル弱(約3万円)で自作し、設計をオープンソースで公開した。

多くの実装機が自動化を目指すなか、この機械はあえて手動で動かす。動きを作るソフトも、部品を読むカメラも、供給リールもいらず、基板の位置合わせや固定も不要で、設計データのない基板でも使える。その分、組み立ては遅く、量産には向かない。

肝は精度だ。回転を直線に変えるとき、3Dプリンターでよく使う台形ねじでは1ステップ0.04mmと粗い。そこでピッチの細かいM3のねじ棒をモーターに直結した。計算上は1ステップ2.5マイクロメートル、誤差を見込んで4分の1に抑えても約10マイクロメートル(血球ほどの大きさ)の精度になる。2つのナットを軽く押し合わせ、がたつきも減らした。

操作は2本のジョイスティックにまとめた。片方でX軸とY軸、もう片方でZ軸と回転を動かし、押し込むと真空で部品を吸い付ける。頭脳には、Arduino Nanoと同じ形のESP32ボードを使う。さらに、古いUltimakerの3Dプリンターから取り出した基板を流用した。ステッピングモーター用ドライバーを5個備え、ATmega2560を載せ、拡張端子も空いていた。

土台は2020アルミフレームとリニアガイド、3Dプリント部品で組んだ。精度がいる部分はレジンで出力し、ヘリンボーンギアは隙間なく印刷して研磨でかみ合わせた。ノズルは2種類で、小さい方は0201や0402、大きい方は0603以上やICに使う。製作者は、手作業と完全自動の間を埋める道具だとし、精度の高い基板組み立てを安く身近にするのが狙いだという。設計データはPrintablesで公開している。

関連情報

Desktop CNC engraver with dual tool heads and visible wiring, set against a dark background.

fabsceneの更新情報はXで配信中です

この記事の感想・意見をSNSで共有しよう
  • URLをコピーしました!

最新記事

YouTube / PodCast

【PR】読んで役立つ注目記事

目次