米ユタ大学が1回のレーザー露光で中空の立体を造形、最短7.5秒で仕上がる

米ユタ大学のPrice工学部が、テキサス大学オースティン校と共同で、内部に空洞を持つ立体を1回のレーザー露光で造形する3Dプリント手法を実証した。層を1枚ずつ積む方式では層の境目に継ぎ目が残り、そこから中身が漏れる。1回で固めればその継ぎ目が生じない。造形にかかる時間は最短7.5秒だった。同学部が2026年8月12日に発表し、論文は8月14日付のScience Advancesに掲載された。

原理はフォトリソグラフィにある。使う樹脂は、ひも状の分子でできていて、レーザー光が当たると分子どうしが結び付いて固まる。光が当たらなかった部分は後から洗い流せるので、狙った形だけが残る。

平面の回路パターンを作る場合は、光を通したくない場所を覆う不透明なマスクを置けば済む。光は樹脂の表面に届けばよいからだ。ところが立体を作ろうとすると、レーザーは樹脂の内部を通り抜けて、ある体積を丸ごと固める必要がある。ここで精度が落ちる。樹脂は完全に透明ではないため、光が進むうちに回折して像がぼやけてしまう。

研究チームは、この回折をあらかじめ見込んだナノパターンのマスクを設計した。光源の前に置くと、レーザーのエネルギーが造形物になる体積だけに集まる。マスクの微細構造は逆設計と呼ばれる計算手法で決めた。狙いの光の分布から逆算して、必要なパターンを求める。

同じ研究チームは今年6月に発表した論文で、この手法を使って直径6μmという細い管の集合体を造形している。管の長さと太さの比は最大で120対1に達した。管の内側は空洞になっているが、これは長さと幅の方向にできた穴であって、高さの方向には作れなかった。研究を主導した電気・コンピューター工学のRajesh Menon教授は、当時の成果を「拡張された2次元」と呼び、真の3次元ではないとしていた。

今回はその制約を外した。手がかりは、光を当てる時間と樹脂が固まる時間の桁がまるで違う点にある。露光は硬化より数桁速く終わる。その差を利用し、空洞として残したい領域には分子が結び付くほどの光量が届かないよう、マスクを計算で設計した。Menon教授は、樹脂の中を光がどう流れるかを設計し、固めたい部分は明るく、固めたくない部分は暗くすると説明する。

実際に造形したのは、中が空いた円筒と立方体だ。複数の方向に空洞を持つ立体を、数秒で作れることを示した。研究チームはこれを、より大きな造形物への足がかりと位置づけている。

論文の筆頭著者はMenon研究室のDajun Lin氏が務めた。テキサス大学オースティン校からは機械工学のMichael Cullinan准教授とChih-Hao Chang教授、化学のZachariah A. Page准教授らが加わった。資金は米国立科学財団の助成とRobert A. Welch財団の一部支援による。

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