2種類の3Dプリント格子を骨と腱のようにつなぐ、デルフト工科大などが開発

オランダのデルフト工科大学と中国の華僑大学の研究チームは、3Dプリントで作る2種類の格子構造を、短い区間で丈夫につなぐ設計手法を開発した。論文は2026年10月5日に学術誌「Nature Communications」に掲載された。

3Dプリントでは、部品の内部を細かな格子にして軽くしたり、場所ごとに硬さを変えたりできる。格子には大きく2つの系統がある。細い棒を組み合わせたジャングルジムのような「支柱型」と、なめらかな曲面が3方向に繰り返す「TPMS(三重周期極小曲面)型」だ。研究チームによると、これまでの研究は同じ系統の中で形の違うものをつなぐ例が中心で、2つの系統をつなぐ方法はあまり調べられていなかった。成り立ちの異なる形を単純に補間してつなぐと、極端に細い部分などができ、印刷しにくくなったり強度が落ちたりする。

チームが例に挙げるのは、骨と腱のつなぎ目だ。硬く穴の多い骨が、ごく短い区間で柔らかい繊維状の腱に切り替わる。性質をなだらかに変えるのではなく、短い区間で大きく切り替える接続が求められる場面は工業製品にもあるという。

チームは、TPMS型の曲面の骨格をたどると、支柱型と同じように点と点を線で結んだ形が現れることに着目した。共通点を生かして、2つの系統の橋渡しをする「つなぎ目専用の単位セル」を設計した。つなぎ目の壁の厚さを変えれば、硬さを元の0.4倍から5倍まで調整でき、そのまま3Dプリント用のデータを出力できる。

試料は、Stratasysの3Dプリンター「J5 MediJet」で、樹脂材料「VeroCyan」を使って作った。圧縮試験では、支柱型の格子はひずみ15%未満で完全に壊れたのに対し、TPMS型は最大40%のひずみに耐えた。両者をつないだ構造に引っ張り、ねじり、曲げの力を加えると、壊れたのはそれぞれの格子の部分で、つなぎ目ではなかった。つないだ構造全体では、硬さに37〜84倍の幅を持たせられたという。

チームは応用先として、骨と腱をつなぐ修復用のインプラントや、骨の再生を助ける足場、衝撃を吸収する構造などを挙げる。一方で、一部の試料では印刷後の密度が設計値から14〜15%ずれるなど、印刷の精度には課題も残る。

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