キーを1個ずつ磁石でつないで並べ替えられるキーボード「Keybytes」

キーを1つずつ磁石でくっつけて、好きな並びに組み替えられるキーボード「Keybytes」の設計データが、MITライセンスで公開された。作ったのは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生で、GitHubで「notaroomba」として活動するNathan氏だ。キーボードを自作したかったが、1つの配列に縛られたくなかったという。

Keybytesは2種類の基板でできている。1キーぶんの「Keybit」と、本体の役目をする「Keyword」で、どちらも一般的なキー1つと同じ19.05mm角だ。Keybitには、Cherry MX規格のキースイッチと、RISC-Vのマイコン「CH32V003」が1つずつ載る。4辺には、ばねで押し当てる接点「ポゴピン」があり、電源とI2Cの信号を隣とやり取りする。キーは本体だけでなく、キー同士でもつながる。

Keywordは2枚の基板を重ねた構造だ。上の基板にはBluetooth付きのマイコン「STM32WB55」とアンテナ、各キーのプログラムを保存するフラッシュメモリーを、下の基板にはUSB Type-Cの端子、電池の充電回路、電圧を変える回路を載せた。リチウムポリマー電池をつなげば無線で使え、各キーのプログラムも本体からポゴピン経由で書き込める。

試作でつまずいたのは、磁石の力がポゴピンのばねに負けて、キー同士が離れてしまうことだった。同氏はばねの弱いポゴピンも探したが、基板を設計し直す必要があるため、磁石の吸着力を上げる道を選んだ。ケースはメイカースペースの光造形3Dプリンターで何度も作り直し、キー1つに4×3mmの磁石を8個、外側へ0.75mmだけ出して埋め込む形に落ち着いた。磁石の出っ張りをそろえるため、スイッチの位置に差し込む治具も作っている。同氏は2026年10月24日、組み上げたキーボードが動いたと作業日誌に記した。

同氏の見積もりでは、約110キーのフルサイズを組み立て済みで作ると約900ドル(約14万円)かかり、その半分近くがポゴピンの代金だ。基板はKiCad、ケースはOnshapeで設計し、回路図、基板のデータ、ケースのSTEPファイル、部品表、作業日誌をGitHubで公開している。リポジトリでは、動作を記録したデモ動画も見られる。

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