バネの代わりに磁石で浮く、3Dプリント製ラジコン用サスペンション

RCカーのサスペンションは、バネとショックアブソーバーの組み合わせで衝撃を吸収する。Relative_Goat_1305氏は、バネの代わりに反発する磁石を使い、部品同士がまったく触れない非接触のショックアブソーバーを3Dプリントで作った。摩擦がゼロになる。

まず通常のバネ式と磁石式の2種類を3Dプリントし、自作のテストリグで性能を比較した。デジタルノギスとキッチンスケールを使い、20gずつ荷重を増やして500gまでの変位を記録した。バネは荷重に比例して直線的に沈む。磁石は最初こそ柔らかいが、押し込むほど急激に硬くなる。磁石同士が近づくほど反発力が指数的に増すためだ。

車体はCADでゼロから設計した。駆動にはヘリングボーンギア(V字の歯形で自動調心し、3Dプリント部品でも高いトルクを伝えられる)とドッグボーン式駆動軸を採用し、ダブルウィッシュボーンのサスペンションジオメトリーで車輪の動きを制御する。電装は4S LiPoバッテリー、ESC、レシーバー、ステアリングサーボで構成した。

最初の磁石では約2kgの車体を支えきれず、車高がゼロになった。磁石を大型化し、前後で異なる強度のショックを設計して対処した。ガイドレールを外すと磁石がねじれて整列しなくなる問題も発生し、外部レールで拘束するマウントを再設計した。最終的に約1.5cmの地上高を確保し、非接触サスペンションとして動作した。

舗装路では安定して走る。ただし車重が重く車高も低いため、悪路では走破性が限られる。ギアの隙間によるトルク不足や、修正した大径ギアがフルスロットルで溶ける場面もあった。Relative_Goat_1305氏は「概念検証としては成功だが、実用性は車の設計が制約している」としている。

磁石を使った非接触サスペンションは、英国の発明系YouTuber Colin Furze氏(登録者約1330万人)が実物大の自転車で先に試みている。2025年末に公開された動画「The Magnet Suspension Bike」は538万回以上再生された。今回のRCカー版は、そのアイデアを1/10スケールに落とし込み、3Dプリントの車体に合わせて磁石の選定やマウント設計、駆動系との統合を独自にやり直した別のプロジェクトだ。

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Close-up of an orange robotic chassis; a finger points to a hinge/connector on the black frame near the rear wheel, with a grid ruler in the background.

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