
回路図を描き、シミュレーションで動きを確かめ、基板を設計して製造用のデータを書き出すまでを1本でこなす日本語の回路CADが「circuitCad」として公開されている。作ったのはK2EXTER氏で、2026年10月9日にGitHubでリポジトリを作成し、Windows版の初期バージョン(アルファ版)を配布している。
同氏はKiCadやLTspiceのような専門ソフトは敷居が高いと感じる初学者を対象に、回路を学び、実験し、基板を発注するまでをソフトを乗り換えずに進められることを目指したとREADMEに書く。Zennに公開した開発記録では、以前に触れた専門ソフトが使いにくかったことも動機に挙げている。
circuitCadは解析の結果を回路図に重ねて表示し、電圧を配線の色で、電流を矢印で示す。部品の値をスライダーで動かしたり、断線やショートで部品を壊したときの影響を比べたりする機能もある。LEDにつなぐ抵抗や降圧・昇圧コンバーターなどの部品の値は、計算の手順と注意点つきで求められる。手順つきのレッスンも23本ある。
基板の設計では回路図から部品を取り込み、配置と配線、設計ルールの検査、3D表示までを行える。自動配線や2〜8層の基板にも対応し、JLCPCB、PCBWay、OSH Parkの製造ルールに合わせて発注前に点検したうえで、ガーバーやドリル、部品表のデータを書き出す。部品は約100点を収録し、KiCadの回路記号と部品の外形データも取り込める。
開発記録によると、同氏はAIのコーディング支援「Claude Code」を使い、2026年10月8日から14日までの7日間でRustのコード約4万9000行を書いた。期間中のコミット199件のうち196件がAIとの共作で、テストは718件ある。その後も更新は続き、10月30日時点のコミットは645件になった。
動作を確かめたのはWindows 10と11だけで、このソフトで作ったデータで実際に基板を製造した実績はまだないと同氏は断っている。初めて発注するときは少量で試すよう勧めている。2026年10月21日公開のバージョン0.1.0-alpha.7までのライセンスはMITとApache-2.0から選べる形式で、それ以降はAGPL-3.0になった。

