
米カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、層を重ねずに立体を一度に造形する3Dプリンター「OpenCAL」を、設計と制御ソフトをそろえてオープンソースで公開した。同校で生まれた「Computed Axial Lithography(CAL)」という方式を、誰でも組み立てて研究に使えるようにしたものだ。
CALは、光で固まる樹脂を入れた容器を回しながら、コンピューターで計算した一連の画像を樹脂の中へ投影する。光が十分に集まった場所だけが固まり、立体が数分で丸ごと現れる。層を積み上げる一般的な方式と違い、層の境目やサポート材が要らない。仕組みはCTスキャンの逆で、3Dモデルから、どの向きにどれだけ光を当てるかを計算する。
これまでのCAL装置は研究室の中にあり、外部の開発者はチャットで情報を得る程度だった。今回のOpenCALは、機械の組み立て方、造形用ソフト、樹脂の入手先までを文書にまとめ、GitHubと専用サイトに公開した。部品と3Dプリントしたパーツがそろえば、装置は半日ほどで組み立てられるという。
制御は、Raspberry Pi 5で動かす。プロジェクターと回転機構、20×4のLCDとロータリーエンコーダーをつなぎ、画面を見ながら樹脂の位置合わせや造形の開始ができる。投影画像の計算には、CTスキャンの逆計算を担うオープンソースソフト「VAMToolbox」を使う。市販の光学部品と3Dプリント部品で組める点も、再現しやすさにつながる。
ソフトとハードの設計は、非営利の研究や教育の用途向けにGPL3ライセンスで公開する。商用利用には個別の許諾が要る。CALは2017年にバークレー校で考案され、その後10年近くで実用性を高めてきた。研究チームは、この公開を通じてVAM(体積積層)の開発者コミュニティを広げたいとしている。

