STMicroelectronics、車載向けマイコン「STM32A」3種を発表

STMicroelectronicsは2026年11月4日、マイコン「STM32」を、産業機器、自動車、ロボットで共通に使える1つのプラットフォームにまとめると発表した。あわせて、自動車や高い安全性が求められる機器に向けた新シリーズ「STM32A」を発表した。同社は最初の3製品を顧客にサンプル出荷しており、広く供給するのは2027年の予定としている。

STM32は同社が20年以上手がけてきたマイコンのシリーズで、Armの「Cortex-M」を処理の中核に使う。同社は今回の方針を、STM32の製品群の「大きな戦略的進化」と位置づけている。

同社によると、統一したプラットフォームは3つの柱からなる。1つ目はCortex-Mと共通の設計の考え方で、開発者が既存のソフトウェアや回路の設計資産を新しい製品に持ち込みやすくする。2つ目は開発環境で、同社のソフトウェア群「STM32Cube」とArmのエコシステムを共通の基盤にする。3つ目は製造技術で、40nmのフラッシュ技術、相変化メモリーを組み込んだ18nmのFD-SOI(絶縁膜の上にトランジスターを作る製造技術)、台湾TSMCの組み込み不揮発メモリー技術を、今後のSTM32の製造基盤にするとしている。

STM32Aの3製品は用途で分かれる。「STM32A4」は車載の入門向けの制御ノードや安全システム、「STM32A5」は産業の自動化、ロボット、エネルギー関連の中位の安全重視の用途と自動車、「STM32A9」はリアルタイム制御、低い遅延、Ethernet、決まった時間で届く通信が欠かせない、複数の領域にまたがる安全重視の制御に向ける。

同社のマイコン部門などを率いるRemi El-Ouazzane氏は「組み込み機器の革新のために、開発者が新製品のたびに一からやり直す必要があってはならない」と述べた。同氏は業界に必要なのは分断を減らしてソフトウェアの再利用を最大にすることだとし、STM32を業界をまたぐ基準のマイコンプラットフォームにするとしている。

同社は10月29日、El-Ouazzane氏が最高技術責任者(CTO)を兼ねる組織変更を発表していた。STM32Aの価格と、各製品の処理性能やメモリー容量は、発表資料に記載がない。

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