
テスター、ロジックアナライザー、SWDデバッガー、電源、波形発生器。組み込み開発のデバッグには複数の計測器が必要だが、lollokara氏が開発した「BugBuster」はこれらを1台にまとめたオープンソースのベンチ計測器だ。PCB設計データ、ファームウェア、デスクトップアプリのすべてがGitHubで公開されている。
メインボードにはESP32-S3(16MBフラッシュ、8MB PSRAM)を搭載し、24ビットADC(0〜12V)、DAC(±12Vバイポーラ出力)、4〜20mA電流計測、デジタルI/O、波形発生器(サイン波、矩形波、三角波、ノコギリ波、0.01〜100Hz)を備える。オプションのRP2040 HATを重ねると、最大125MHzのロジックアナライザー(4チャンネル、RLE圧縮)とCMSIS-DAP互換のSWDデバッガーが追加され、OpenOCDやpyOCDで直接ARM Cortex-Mターゲットを操作できる。
最大の特長はAI連携だ。BugBusterはMCP(Model Context Protocol)サーバーを内蔵し、Claude等のAIツールから直接ハードウェアを制御できる。「出力がおかしい。デバッグして」と指示すれば、AIが4チャンネルの電圧を読み、異常を検知し、電源レールを確認し、原因を報告する。AIに物理的なハードウェアの制御を委ねるため、安全機構も厳重だ。各I/Oには1つの信号経路しか設定できないMUX排他制御、ボードプロファイルによる電源レールのロック、電子ヒューズによる過電流保護がツール層で強制され、AIの指示であっても迂回できない。
デスクトップアプリはTauri+Leptosで構築され、概要、ボード設定、波形発生器、スコープ、ロジックアナライザー、UART、診断など21のタブを持つ。Pythonライブラリーも提供され、スクリプトからの自動計測にも対応する。現在、ESP32-P4とESP32-C6を使ったnA〜Aレンジの電力プロファイラーHATの開発も進んでいる。

