豪RMIT大が水を通しながら浮くチタン格子を試作、壊れても浮力を維持

豪RMIT大学の研究チームが、水に浮くチタンの格子構造を3Dプリントで作った。格子の隙間を水が自由に通り抜けるのに沈まず、亀裂が入っても浮き続ける。論文はAdvanced Materialsに掲載され、同大学が2026年9月1日に発表した。

金属の格子は軽くできる。密度を水の10分の1以下にすることも可能だが、隙間が全部つながっているため水が入り込み、結局は沈む。研究チームはこの問題を、格子を作る支柱の側で解いた。レーザー粉末床溶融でTi-6Al-4V合金の格子を作るとき、支柱を中空にして内部に通路を残す。その通路にだけ、膨張するポリウレタン発泡体を注入する。外側の格子は開いたままなので水は通り抜けるが、支柱そのものは密閉された浮力体になる。

浮くかどうかを判定するために、研究チームは「骨格密度」という指標を定めた。従来の密度計算は格子の隙間まで体積に含めるが、水が入る隙間は浮力に寄与しない。骨格密度はチタンの壁と発泡体で密閉した通路だけを数え、これが周囲の液体より低ければ浮く。研究を主導した同大学Centre for Additive ManufacturingのJordan Noronha氏は、これで技術者に単純な設計規則を渡せると述べている。

試験では、内部通路の直径を2.5〜4.0mmで振った格子を作った。発泡体を入れたものは淡水に2カ月以上浮き続け、入れていないチタン格子は沈んだ。最も密度の低い試料はかさ密度が約0.27g/cm³で、圧縮降伏強度は10.3MPaだった。同じ密度で比べると、海洋設備に使われるステンレス鋼や高密度ポリエチレンより70%強いとしている。

壊れても沈まない点を、研究チームは繰り返し試している。格子に亀裂を入れ、節点を折り、層を1つ完全に破断させても浮き続けた。沈んだのは、強い圧縮で構造全体がつぶれたときだけだった。密閉した空洞が1つしかない従来の浮きは、そこに穴が開けば水が入って沈むが、この構造は無数の小さな浮力体が分散しているため、一部が壊れても残りが浮かせる。

高さ約100mm、幅約85mmのブイも印刷し、メルボルンのポートフィリップ湾の海水で試した。約45度まで傾ける乱流の中でも姿勢を保ち、2週間の浸漬で質量は0.15%、強度は1%未満しか減らなかった。

Noronha氏は、桟橋、ブイ、浮遊センサーなどの海洋設備を想定するほか、チタンの骨組みの中身を変えれば衝撃吸収や熱管理、振動制御にも同じ構造を使えると述べている。研究はフランスの国立工芸院と共同で、豪州研究会議の支援を受けた。

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