
ドローンの操縦に使う市販の無線モジュールで、電波を取り込んでパソコンで観測できるファームウェアが、「Nomad-SDR」としてGitHubで公開された。対象はRadioMasterの送信モジュール「Nomad」で、作ったのはKittiwut Khongkaeo氏だ。
Nomadは操縦用の無線規格ExpressLRSに対応したモジュールだ。米Semtechの無線チップLR1121を2個積み、2.4GHz帯と900MHz帯で同時に信号を送る。
Nomad-SDRの元になったのは、Roman Kuraev氏が10月22日に公開した「lr1121-sdr」だ。同氏の資料によると、受信中のLR1121は電波の波形を表すデータ(I/Q)をチップ内部のメモリーに書き込んでいる。lr1121-sdrはLR1121のモジュールとRaspberry Pi Picoを配線し、このデータをPicoが読み出してパソコンに送る。同氏は読み出すメモリーの番地をLR1121のファームウェア1.3で観察したものとし、ほかのバージョンで通用する保証はないと断っている。
Nomad-SDRは、lr1121-sdrの仕組みをNomadが内蔵するメインのESP32へ移した。必要なのはNomad本体と付属のアンテナ、Windowsのパソコンだ。取り込んだ波形はUSBかWi-Fiでパソコンに届き、同梱のツールがRTL-SDR向けの通信方式(rtl_tcp)に変換する。利用者は受信ソフトSDRangelやSDR++で、周波数ごとの電波の強さを時間とともに流すウォーターフォール表示を見られる。
LR1121の受信の仕様が示されている範囲は、150〜960MHz、1900〜2200MHz、2400〜2500MHzだ。USBで送れるのは1チップ分で、毎秒3万1250サンプルにとどまる。Kittiwut Khongkaeo氏は、1090MHzに合わせても航空機の位置情報(ADS-B)の帯域全体は取れないと説明している。
Nomad-SDRは受信専用で、保存しておいたフラッシュ全体のバックアップからExpressLRSのファームウェアに戻せる。元のlr1121-sdrには実験的な送信の機能もあり、電波を出す使い方を国内でできるかは電波法上の確認が要る。ライセンスはMITで、一部のツールはGPL-3.0だ。Nomad-SDRが同梱するSemtechのファームウェアには、Semtechの条件が適用される。

