
WindowsやLinux、macOSは完成度が高い一方で、長年の積み重ねで増えた古い仕組みも抱える。新しい設計を試そうとすると、その土台が足かせになりやすい。Manas Kamal氏が個人で作り始めた「XenevaOS」は、そうした土台ごと自分で書き直したOSだ。カーネルから画面まわりまで、ほぼすべてを一から作っている。
中核にあるのは、独自開発の「Aurora」と呼ぶハイブリッドカーネルだ。x86(64ビット)とArm(64ビット)に対応し、RISC-Vへの対応も視野に入れる。コードの大半はC言語で書かれている。ドライバーをDLL形式で読み込む仕組みや、USB3、NVMeやSATAといったストレージ、IPv4やTCP/IPのネットワークまで、自前で実装している。
目に見える部分も自作だ。「Deodhai」と名づけたウィンドウマネージャーが画面を合成し、「Chitralekha」というグラフィックスライブラリが描画を担う。デスクトップ環境やターミナル、電卓やファイルブラウザー、音楽プレーヤーなどのアプリも備える。フォント描画にはオープンソースのFreeTypeを使う。スクリーンショットを見ると、ウィンドウやアプリトレイが並ぶ見慣れた形にまとまっている。
動く先は仮想環境のQEMUにとどまらない。Raspberry Pi 3b+やToradexのSoMといった実機への対応も進めている(いずれも作業中)。ソースコードはBSD 2-Clauseライセンスで公開されている。XenevaOSはまだ初期段階で、未実装の機能も多い。それでも、カーネルから画面までを丸ごと見渡せるOSは、仕組みを学んだり手元で改造を試したりする題材になる。
Manas Kamal氏は当初、学びのための個人プロジェクトとして始めたが、いまは関心を同じくする少人数のチームで開発を続けている。古い設計から離れ、XRやロボティクスなど幅広い用途を1つのOSで賄うことを目指すという。完成された製品ではないが、OSの中身をのぞき、いじってみたい人にとっては格好の遊び場になるだろう。

