粉末造形で余った粉をフィラメントに、3DEVOが連続生産の装置を発売

オランダの3DEVOが、フィラメントを連続生産する装置「Filament Maker X10」を発売した。粉末や粉砕材、ペレットを入れると、巻き取り済みのスプールになって出てくる。PLAで毎時1.5kgを生産でき、24時間の連続運転を想定する。価格は公表していない。

同社はこれまで、少量の実験用フィラメントを作る装置を手がけてきた。研究室で新しい配合を試すための機械で、量産には向いていない。X10はそこから性格を変え、生産設備として位置づけている。

狙いのひとつが、粉末造形で出る廃棄粉の再利用だ。MJFやSLSでは、造形に使わなかった粉をそのまま捨てるわけにいかず、新しい粉と混ぜて使う比率が決まっているため、余りが出続ける。X10はこの未溶融の粉をフィラメントに変える。同社は自社の生産ラインで2000kgを超えるPA12の廃粉を処理したとしている。

装置の要は冷却の経路にある。押し出したフィラメントは、1mのシリコーン製ベルトと1.8mの戻り経路、合わせて2.8mをかけて冷えていく。工場では水槽で冷やすのが普通だが、X10は空気で冷やすため乾燥の工程が要らない。同社はこの長い経路によって、フィラメントを引き伸ばさずに置いていけるようになり、従来機の5倍の生産量を得たと説明する。

太さを測るのは、冷え切ったあとだ。3軸の光学センサーが分解能10μmで毎秒25回以上測り、赤外線カメラで表面温度も見る。測った値をそのまま押し出しの制御へ戻すので、運転中に人が調整する必要はない。スプール上での公差は±30μmだとしている。

加熱は4つの独立した区画で最大450℃、温度の安定度は±0.1℃。スクリューはDC53工具鋼を焼き入れしたもので、ノズルはE3D製の銅とハードン工具鋼を選べる。カーボンやガラス繊維を混ぜた研磨性の高い材料や、PEEK、PEI、PEKKといった高温材料にも対応するという。ホッパーは7.25Lで、振動フィーダーが粉や粉砕材の詰まりを防ぐ。

本体は1785×400×692mmで57kgあり、3kgまでのスプールに巻ける。遠隔からの監視と操作に対応し、スプールごとに工程のデータを記録する。手作業で残るのはスプールの交換だけだとしている。同社は6つの試験導入先と自社ラインで、15台を6カ月以上動かして検証したと説明している。

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