Arduinoが10機種でZephyr正式対応、mbedOS版は提供終了へ

Arduinoは2026年7月29日、リアルタイムOS「Zephyr」上でArduinoのスケッチを動かす「ArduinoCore-zephyr」のバージョン0.90.0を公開し、ベータを終えて安定版になったと発表した。同時に、これまで上位ボードで使われてきたmbedOSベースのコアについて、提供終了に向けた段階に入ることも明らかにした。mbedOS自体がサポート終了を迎えたためだ。

Zephyrは、Linux Foundationが運営する組み込み機器向けのリアルタイムOSになる。従来のArduinoのスケッチは、OSを介さずマイコンを直接動かす形が基本だったが、このコアを使うとZephyrの機能を土台にしながら、書き慣れたArduinoの記法をそのまま使える。複数の処理を並行して動かす、通信の状態を管理するといった、規模の大きな用途を想定した構成だ。

今回のバージョンでは対応ボードが広がった。「Nano RP2040 Connect」が新たに加わり、Raspberry Pi製チップRP2040を載せたボードでもZephyrを使えるようになる。「Portenta H7」と「Portenta C33」ではSDカードへの読み書きに正式対応し、外部メモリーへのデータ記録やファイルの保存が扱いやすくなった。「Nano 33 BLE」ではPDMライブラリに対応し、デジタルマイクからの音声入力を使えるようになる。音のサンプリングや異音の検知、機器の側で音声を処理するといった用途を想定する。

現在の対応ボードは10機種だ。UNO Q、Portenta H7、Portenta C33、Opta microPLC、GIGA R1 WiFi、Nano Matter、Nano RP2040 Connect、Nano 33 BLE、Nicla Sense ME、Nicla Visionが並ぶ。

移行のしやすさにも配慮した。バージョン0.90.0からは、すべての対応ボードでローダーとスケッチの自動同期が有効になる。スケッチを書き込むたびに、コア側がローダーの更新の要否を確認して裏側で処理する仕組みだ。mbedOSベースのスケッチが動いているボードをつなぎ、Arduino IDEでZephyrベースのコアに切り替えて書き込めば、必要に応じてローダーが自動更新される。利用者が手作業で対応を取る必要はない。

導入は、Arduino IDEのボードマネージャーで「zephyr」を検索し、バージョン0.90.0を選んでインストールする。詳しい変更点はGitHubのリリースノートで公開している。

Arduinoは、このコアを高機能なハードウェア向けの主要な枠組みとして位置づけるとしており、既存のスケッチを0.90.0でコンパイルして動作を報告するよう利用者に呼びかけている。

関連情報

fabsceneの更新情報はXで配信中です

この記事の感想・意見をSNSで共有しよう
  • URLをコピーしました!

最新記事

YouTube / PodCast

【PR】読んで役立つ注目記事

目次