光る物体も正確に測れる3Dセンサー、部屋全体を仮想スクリーンにする手法を開発

アリゾナ大学Wyant光科学カレッジの3D計測ラボを率いるFlorian Willomitzer准教授らの研究グループが、ガラスや金属のような光沢のある物体を含む場面を一度に正確に3D計測できる新手法を開発した。論文は2026年5月20日、Nature Communications誌に掲載された。

自動運転車や手術ロボットが周囲の形状を正確に把握するためには、光を反射する方向や強さが大きく異なる物体が混在する「混合反射シーン」をリアルタイムで3D計測する必要がある。しかし、従来の3Dセンサーの多くは「つやなし(マット)」か「光沢あり(スペキュラー)」のどちらか一方に最適化されており、両者が混在する現実の環境では精度が落ちるという問題があった。ガラスや磨かれた金属のような鏡面体は形状の計測が特に難しく、既存の手法では車一台を収納できる大型スクリーンが必要なケースもあった。

研究グループが開発した手法は、部屋に存在するすべての物体を「仮想スクリーン」として活用するというアイデアに基づく。レーザースキャナーで部屋全体を走査し、アルゴリズムでマット面とスペキュラー面を分離する。マット面はそのまま直接3D形状を計測し、スペキュラー面はマット面からの反射光を使って逆算して計測する。部屋の中にあるものがすべて大型の仮想スクリーンになるイメージだ。

撮像には通常のカメラの代わりに「ニューロモルフィック・イベントカメラ」を用いる。従来のカメラがフレームごとに全画面を撮影するのに対し、イベントカメラは変化のある箇所だけを高時間分解能で捉えるため、非常に明るい光沢面と暗い面が同一フレームに混在する場面でも精度を維持できる。これにより、動く物体を含む混合反射シーンを高フレームレートで3D動画として計測できる。

現状は実験室のテーブルサイズでの実証にとどまるが、Willomitzer准教授は技術がスケールアップ可能だと説明している。手術中の血管の計測から建物全体のデジタル化まで、幅広い用途への応用を視野に入れているという。

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Two-panel illustration: a sculpture scan setup with measurement arrows, and a 3D bust showing matte vs. specular surfaces labeled on a nearby block.

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