
中国のLILYGOが、クレジットカードほどの面積の基板に長距離無線とGPS、太陽電池をまとめた開発ボード「T-Echo Card」を発売した。本体の寸法は90×60×9.5mmで、厚みは1cmを切る。無線には、少ない電力で遠くまで電波を届かせる規格のLoRaを使い、送受信にはSemtechのSX1262を積む。マイコンはNordic SemiconductorのnRF52840で、Bluetooth 5やThread、Zigbee、802.15.4にも対応する。
位置の測定には、GNSS受信モジュールのL76Kが載る。GPSに加えてGLONASSとBeiDou、日本の準天頂衛星システムQZSS(みちびき)の信号を受け取り、複数の衛星群を組み合わせて測位する。動きを検出する9軸センサーのICM20948も実装した。加速度と角速度、地磁気の3種類を1つのチップで測る部品で、姿勢や向きの判定に使える。画面は0.42インチ(約11mm)のOLEDで、解像度は72×40ピクセルで、数値や短い文字列を表示する程度の広さに絞ってある。
マイクとスピーカーも基板に載る。デジタルMEMSマイクのMP34DT05と、I2S接続のアンプMAX98357を実装し、8Ωのスピーカーを最大1Wで鳴らせる。GitHubで配布するサンプルには、マイクからの録音と音楽再生のスケッチが含まれる。電力は出力0.25W、5Vの太陽電池パネルで補う。フルカラーLEDのWS2812が3個並び、状態表示にも回せる。メモリーはnRF52840内蔵の1MBフラッシュと256kBのRAMに加え、外付けで32Mビットのシリアルフラッシュを持つ。
開発環境はArduino IDEとPlatformIOの両方に対応する。Arduino IDEの場合はAdafruitのnRF52ボードパッケージを追加し、リセットボタンを2回押してブートローダーモードに入れてから書き込む。サンプルコードと回路図はGitHubのリポジトリで公開しており、ライセンスはMITだ。USBコネクターが緩むときに使う固定用パーツの3Dプリントデータも、同じリポジトリに置いてある。
無線の周波数は433MHz、868MHz、915MHz、920MHzの4種類から選ぶ。同社のドキュメントは、915MHzを北米向け、868MHzを欧州向け、920MHzを日本と韓国向けと位置づける。NFCはハードウェアとしては動くものの、出荷時のファームウェアでは無効になっており、使うにはNordic純正のSDKでの開発が要る。公式ストアでの価格は58.04ドル(約9200円)で、2026年8月9日時点では915MHz版とマグネット式USBケーブル同梱版が在庫切れになっている。同ストアはドル建てで販売しており、日本国内向けの価格は示していない。

