
ModRetroが、FPGAでNintendo 64の回路を組み直した据え置き型ゲーム機「M64」を発売した。ソフトウェアによる模倣ではなく論理回路そのものを再現する方式を採り、当時のカートリッジとコントローラーをそのまま使える。日本向けの価格は税込4万1300円で、コントローラーは別売りの1万6200円になる。
ModRetroは、Oculus VRとAnduril Industriesを立ち上げたPalmer Luckey氏が創業した企業だ。同氏は10代のころに改造ゲーム機の情報交換を目的としたオンラインの場としてModRetroを始めており、2024年にはGame Boy互換の携帯機Chromaticを投入している。M64は同じ路線を据え置き機へ広げた製品にあたる。
中核に据えたのは、16nmプロセスで作られたAMDのArtix UltraScale+ FPGAだ。FPGAは内部の論理回路を後から書き換えられる集積回路で、当時のプロセッサーやサウンド回路の振る舞いを回路の水準で組み直せる。同社はこれを、レトロゲーム機に使われたプロセッサーとして最も進んだものだと説明する。一般的なミニゲーム機がソフトウェアの模倣で動くのに対し、動作のタイミングまで実機に寄せられる点が異なる。
注目すべきは、FPGAのコアとファームウェアをオープンソースで公開している点だろう。同社はハードウェアも改造しやすい設計にしたとしており、無線経由の更新で機能を追加していく。追加を予定する項目には、HDMIのパススルーや、Chromaticの所有者向けのTransfer Pak対応が並ぶ。
映像はHDMIで最大4Kまで出力し、走査線やブラウン管の質感を模した映像フィルターを掛けられる。動作周波数を上げるオーバークロックの設定も備える。電源を入れてから数秒で起動する。本体の寸法は約216×165×56mmで、重量は約730gになる。16GBのSDカードをあらかじめ挿し、多国対応の電源アダプターと電源ケーブルを同梱する。
本体の色はクリア、パープル、グリーン、AMD Redの4種類を用意した。基板には腐食を防いで導通を良くする狙いで金メッキの配線を施し、二重の質感を持たせた透明の筐体から内部が見える構造にしている。
ソフトウェアの供給にも踏み込む。同社は個人開発者の新作を支援し、大手スタジオと組んで旧作をリマスターして物理的なカートリッジで再発売する計画を示している。
なお同社は公式サイトで、Nintendo、Nintendo 64、Game Boyおよびゲームボーイ本体の2次元形状がNintendo of Americaの登録商標であり、同社はNintendoと提携関係になく、Nintendoから後援も承認も推奨も受けていないと明記している。

