カナダの3Dプリント学生寮が入居直前で停止、理由は技術でなく制度

カナダのウィンザー大学が建設していた3Dプリント製の学生寮が、完成間近で工事を中断している。使用許可が下りておらず、2026年秋を予定していた入居のめどが立っていない。CTVニュースが2026年9月2日に報じた。同大学はこの建物を、カナダで初めての多層階かつネットゼロの学生寮と位置付けてきた。

同大学によると、寮は市の使用許可を待つ段階にある。使用した材料は試験を終えており、現行の安全基準を上回るという。ただし、この種の建物に用いる材料として建築基準に位置付けられておらず、関係先とともに手続きを進めているとしている。

現場では工事が中断しており、3Dプリンターやコンクリートを圧送する設備は撤去された。基礎部分は残っている。ウィンザー市の建築部門は、大学と協議したうえで基準に適合させる方法を複数提示したと説明する。建築許可は有効で、期限も切れていない。

大学はCTVからの2度の取材申し込みに応じなかった。同社が9項目の質問を送ったのに対し、「本プロジェクトに関連する研究は継続している」と回答するにとどめている。

この寮には連邦政府が2025年8月、200万カナダドル(約2億2000万円)を拠出した。南オンタリオ連邦経済開発機構による住宅分野の支援事業の一環で、学生や技術者に新たな工法を教える費用も含んでいた。同機構は、事業への関与が2026年3月に終了したとして、今後の見通しについては大学に確認するよう求めている。

ウィンザー大学は建設3Dプリントに長く取り組んできた。2022年にはHabitat for Humanityおよびnidus3Dと共同で、北米で初めて建築許可を得た3Dプリント集合住宅をオンタリオ州リーミントンに建設している。当時の発表では、この事業を通じて3Dプリント建築の設計基準づくりに寄与するとしていた。

同大学で土木工学を専門とするSreekanta Das教授は2026年3月、オンタリオ州の建築基準が3Dプリント住宅を明確に定めていないと指摘し、普及にはより多くのデータと経験が必要になると述べていた。その際、今回の寮についてはウィンザー市から建築許可を得ていると説明していた。

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