
3DプリンターメーカーのFormlabsは、粉末を焼き固めるSLS方式の大容量3Dプリンター「Fuse X1」を発表した。生産現場や開発チーム、受託メーカー向けの工業用システムで、日本でのメーカー希望小売価格は9万7499ドル(約1560万円、1ドル160円換算)からだ。2026年6月10日に注文受付を始め、2026年第4四半期から順次納品する。
Formlabsによると、Fuse X1は同等の工業用の粉末床溶融結合方式(PBF)の機種と比べ、部品1個の造形コストを最大50%下げ、造形スピードを3倍に高めたとしている。24時間以内に量産品質の部品を作れるという。最大造形サイズは330×330×565mmで、コンパクトにまとめたことで設置面積は従来の半分以下になった。設置はおよそ1時間で、特殊な空調も要らず標準的な単相電源で動く。
焼結のムラを抑えるため、SLS方式で初という自動の温度調整機能を載せた。13のゾーンに分けて加熱や焼結を制御し、造形チャンバー全体で温度を一定に保つ。これにより、造形空間に部品を詰め込むパッキング密度を30%以上に高めた。代表的な粉末方式のMJFが推奨密度およそ10〜15%であるのに対し、一度に多くの部品を作れるとしている。
もう1つの新機能が、AIを使った失敗の防止だ。カメラで各層の熱の様子を監視し、異常を検知すると問題のある部分を次の層から外して、材料と時間の無駄を減らす。粉末の回収や研磨を担う周辺機器もそろえ、作業を1つの流れでこなせるようにした。早期アクセスではTeslaやRadio Flyer、受託製造のAutotiv Manufacturingなどが使い、数カ月で3万点を超える部品を作った。ドローン製造も用途に見込む。Formlabsは、工業スケールのSLSをより幅広い市場に届けると位置づけている。

