3Dプリント部品の予測が実物と合わない原因は材料の性質、研究チームが特定

3Dプリントで作る、振動や音の波を制御する特殊な構造材料で、コンピューターの予測と実際の挙動が食い違う原因を、Sidharth Behara氏らの研究チームが突き止めた。原因は3Dプリンターの精度ではなく、材料が持つ性質をシミュレーションに正しく反映していなかったことにあるという。成果は学術誌Materials Horizonsに掲載された。

ここで扱うのは、フォノニック材料と呼ばれる構造だ。細かな形を規則正しく並べることで、特定の周波数の振動や音だけを通さない、といった性質を持たせられる。設計しだいで、機械の嫌な振動を狙って抑えるといった使い方ができる。3Dプリンターは、こうした複雑な形を作るのに向く。

ただ、これまでは課題があった。設計時にコンピューターで予測した挙動と、実際に作った部品の挙動が、しばしば合わなかったのだ。この食い違いは、3Dプリンターが作る形の誤差や欠陥のせいだと考えられがちだった。

研究チームは、原因が別にあることを示した。プラスチックには、押すと少し遅れて戻る、粘りと弾力を併せ持つ性質がある。粘弾性と呼ばれるこの性質を、従来のシミュレーションは十分に組み込んでいなかった。チームは、この粘弾性を実験で丁寧に測り、計算に反映した。すると、予測と実測が高い精度で一致したという。

検証には、熱で溶かした樹脂を積むFFF方式と、インクジェット方式で作った、PLAとABSの部品を使った。従来の計算では、振動の伝わり方に最大で31%ほどの食い違いが出ていたが、粘弾性を組み込むと、この差が大きく縮まった。作る前の設計段階で、実物に近い挙動を見通せるようになる。

研究チームは、この成果が、3Dプリントによる振動制御部品を、狙いどおりに設計するための土台になるとしている。食い違いの原因を材料の性質に求めた点が、今後の設計精度の向上につながると位置づけている。

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