
ベトナムで暮らす4歳の娘がボタンを押すだけで、米国に住む祖父母と話せる。そんな電話「kid_phone」が、作り方とソースコードとともに公開された。作ったのは娘の親であるAllan Binder氏で、同氏の家族はみな米国にいる。同氏は動画で、家族との連絡を「椅子取りゲームのよう」と表現している。
製作のきっかけは、決まった番号にしかかけられないが本物の通話ができる、子ども向け電話のInstagram広告だった。Binder氏はそれなら自分でも作れると考えたという。
本体には直径60mmのアーケードボタンが最大4つ並び、ボタン1つが1人に対応する。受話器はスマートフォンにつなげる市販のUSB-C受話器で、ESP32-S3にUSBで直接つなぐ。ESP32-S3はWi-Fi経由で、インターネットから一般の電話番号に発信できる米Twilioのサービスを通して、相手の電話を呼び出す。
それぞれのボタンにはランプが付いている。同氏の父は平日の朝7時か夜8時以降にだけ電話を受けたいという。kid_phoneでは、父のボタンのランプがその時間だけ点く。ランプが点いていればかけてよいという決まりは、小さな子どもでも1日で覚えられると同氏はガイドで説明する。受けられない時間に押すと、kid_phoneは英語の音声で「今は話せない」と答え、発信しない。
Binder氏は発信元の番号に、父が住む地域の市外局番を持つ米国の番号を選んだ。知らない番号からの電話だと思われないようにするためだ。kid_phoneは登録した番号以外には発信せず、通話が終わってから3秒間はボタンを押しても反応しない。
試作のケースは手元にあった箱で、同氏が娘と一緒に塗った。色は娘が選んだ。娘が受話器を持って走り回るため、同氏は結束バンドを増やして固定し、本体を壁に取り付けるつもりだと話す。
Binder氏によると、部品代は約25ドル(約3900円)で、Twilioには最低20ドル(約3200円)を入金する必要があった。約1カ月使って減ったのは2〜2.5ドル(約320〜390円)で、同氏は入金分で6〜8カ月は話せると見込む。
ガイドには部品の一覧と組み立て、Twilioの設定手順が載っている。ファームウェアはブラウザーから書き込め、ライセンスはファームウェアがApache License 2.0、ハードウェアがCERN-OHL-P v2、ガイドがCC BY 4.0だ。

