印刷中の3Dプリンターにカメラで検査、平均では隠れる台の傾きを発見

米ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)の研究チームが、3Dプリンターに取り付けたカメラで印刷中の造形を層ごとに撮影し、機械学習で線の太さを測って不良を見つける検査システムを開発した。論文はnpj Advanced Manufacturingに掲載され、同研究所が2026年9月14日に公表した。

対象はダイレクトインクライティングと呼ばれる方式で、ペースト状の材料をノズルから細い線として積み上げる。クッションやパッドのような柔らかい部品を作るのに使われ、線の太さは1mm以下になる。線が途切れたり細くなったりすると部品の性能が変わるが、従来は印刷を終えて取り出してからX線CTや力学試験で調べていた。

今回のシステムは、各層を印刷するたびにカメラが撮影し、ソフトウェアが最新の線を画像から切り出して直径を計算する。機械学習の画像分割モデルは、複数の格子形状を含む約1万5000枚の画像に人手で注釈を付けて学習させた。55個の部品で試したところ、自動計測は人手による計測と数μm以内で一致したという。

速さの差は大きい。大きな画像を人が手で測ると20分から1時間かかるが、自動処理はミリ秒で終わる。平均すると約10万倍速いとしている。

研究チームは約25×25cmのクッションで実演した。1層から約2500枚の画像を集め、計測値を部品内部の空間地図に組み合わせたところ、線の直径が片側からもう片側へ徐々に変わっていた。印刷台がノズルに対してわずかに傾いていたことを示す結果で、部品全体の平均値を取っていたら隠れていた種類の不具合だった。

技術リードのBrian Weston氏は、高価な試験の前に壊れた線などを見つけて早く不合格にできる「最初の関門」だと説明する。研究主任のBrian Giera氏は、X線CTは高解像度で調べられる大きさに限りがあるが、プリンターに載せたカメラならその範囲を超える部品も検査できると述べている。

システムはカンザスシティ国家安全保障複合施設へ移し、実際の生産機器で評価する予定という。Weston氏は、将来はプリンターが自分の造形を検査し、欠陥が部品の不適合につながるかを自ら判断する仕組みを想定している。

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